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【オールアバウトCEO、江幡哲也氏インタビュー】

月間3000万人が使うネットメディア、オールアバウトを立ち上げた江幡社長にお話を伺いました!


江幡哲也氏 株式会社オールアバウト 代表取締役社長兼CEO

武蔵工業大学(現 東京都市大学)電気電子工学科卒業。1987年株式会社リクルート入社。数多くの事業を立ち上げる。1996年に立ち上げたキーマンズネットにおいては、14個のネット関連特許を取得し、高い評価を得る。

2000年6月に株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパンを設立。代表取締役社長兼CEOに就任。2004年7月株式会社オールアバウトに社名を変更。2005年9月にJASDAQ上場を遂げる。


創業13年目を迎えたオールアバウト、起業経緯と今後の事業展開は?

―― オールアバウトは今後どういう方向性で進んでいきますか?

総合情報サイト『All About』がスタートして2014年2月15日で丸13年経ったんですよ。最近はAll Aboutのガイド(専門家)を軸に“WEB&リアル”をキーワードとしてサービスを拡げている時期ですね。

色んな情報・ノウハウを知ることができるサイトですから、何かをやるときに「ああ、そうやってやったらいいんだ」と思ってもらい、その後にアクションをしてもらえるようにしようと思っている段階です。

毎月約3,000万人の方に使っていただいていますが、インターネットから人を集めつつ、専門家の人が活躍できる場所をWEBとリアルそれぞれで広げていきたいと考えています。

最近進めているのは、モノを試し買いしてもらうとか、カルチャースクールのような教室に行ってもらうとか、そういうリアルなところですね。

例えば、グループ会社がサンプル百貨店というトライアルECサイトを運営しています。

みなさんコンビニとかで新しい商品が出たら買うと思いますが、ここは飲み物や食べ物をお試しできるサイトで、「ちょっとのお値段で、本物の商品が、どこよりも安く試すことができて、自分の意見を企業に届けられる」そんなサイトです。ここが今、毎年倍々のペースで伸びていますね。

また、他にもオールアバウトライフワークスというグループ会社があって、ここは先生を育成する会社なんです。例えば子離れされた主婦の方々って、子離れした後にいろんな選択肢があるでしょう? 自分の好きなことを長く続けながらお金が稼げると良いね、なんていうニーズが結構あるわけです。

そこで、主に手芸領域で、ジュエリーづくりとか、お花とか、こういう技能を学んでいただいて、先生の資格を取ってもらうんですね。先生の資格を取って、ご自宅で教室を開いて生徒さんに教えるんです。そうすると、これが一生続けられる仕事になります。つまり、「好きを仕事にできる」んです。

こんな風に、ネット上だけじゃなくリアルの場面でも専門家の人たちが活躍できる場所を拡げていこうとしています。

―― なぜ起業されたんですか?

この事業がやりたかったからですね。

そして、そのためには起業する形が、最も成功確率が高かったからです。

―― 長い間温められていたんですよね

そうです。

事業って必ず成功するための大きな要因っていうのがあって、そこを見極めないといかにいいアイデアでも失敗しちゃうんですね。

今回の話でいうとインターネットの世界において、ブロードバンドが普及するっていうのが必須の条件でした。

ところが、僕が96年に提案をしたときはその環境はなかったんです。

だからスイスイ動くブロードバンドが始まるのがいつかな、と考えて、2000年から始まると読んで99年に準備をしたんです。それがぴったり当たったんですね。

そして2001年、ちょうどGoogleが日本に来たばかりのとき、Googleと一番最初に提携したのがオールアバウトだったんです。ブロードバンドが始まって、検索サイトが伸びていくと検索する先の情報が必要になりますよね。

だから、良い情報をいっぱい提供する役割として提携をし、Googleと一緒に伸びていきました。

自分たちではなんともしがたい、事業を成功させるための重要な要因がぴたっとはまることが重要で、そのタイミングだったから温めたものを出したんです。

―― 創業するうえで大変だったことを教えてください

新規事業っていうのはゼロから1を生み出しますよね。

だから、想定通りにほとんど行かないんです。例えばこれぐらいのユーザー数がこれぐらいのタイミングで伸びていきますとか、そういうのに伴って売り上げがこうなりますって事業計画を立てるわけですが、最初の二年半は全くその通りに行かなかったんです。そうなると株主の覚えは悪くなるし、実際にお金もどんどん減っていきます。 売上は立たないんだけど、使うお金はどんどん使ったわけですね。一時期は十数億円ぐらいの赤字までいきました。

そうすると、銀行の通帳を見れば「あと何か月で資金が足りなくなるな」という風に追い込まれていくんです。そういうことは必ずあって、僕らもそれはありました。

想定と違ったのは、当時ネットバブルというのがあって、インターネットというマーケットがすごい勢いで拡大していたんです。Yahoo! が上場したり楽天が上場したりして、そういう流れの中で僕らも船出をしようとしたところ、サービスを始めた瞬間にバブルがはじけたんですよ。

(取材陣、息をのむ)

そう、ネット事業は悪だっていう風潮になって、非常にアゲインストな中から船出したんです。 なので最初の2年くらいは本当にきつかったですね。だけど、きつかったのは社長だけで、社員は関係ないので、「大丈夫大丈夫」って言い聞かせていました。そうして、みんな一所懸命やって、3年目に順調に浮上しだしたわけです。

そこまでは1週間ごとに来週どうなるか分からないっていう感覚が、社長としてはありました。

でも僕は信じていたので「まったく問題ないんじゃない?」と言い続けていましたね。

ですから、こういう我慢比べをやっていた時期はつらかったです。

(人事 岡部さん- その我慢比べのときに私は採用していただいて…)

ニコニコしてたでしょ?(笑)

もともとリクルートで新規事業を作っていたから、僕はそれを楽しめる人なんです。

きっと、「これは絶対成功する」って信じてるからでしょうね。

筋の良い事業だからあきらめなかったんです。ある事業が軌道に乗るまでは、結局我慢比べですから。競合もいっぱいいたんですが、うまくいかなくてずいぶん辞めてしまいました。

そして誰もいなくなった。あ、オールアバウト以外は、ですが(笑)

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