"世界初を生み出す” BUYMA創業者が語る、強い会社を作るカルチャー
「世界が変わる新しい価値を。」というミッションステートメントのもと、ソーシャルショッピングサイト"BUYMA"などのサービスを運営する株式会社エニグモ。
急成長を続けるこの企業を支えているものは何なのか、代表取締役の須田将啓氏にインタビューを受けていただき、お話を伺いました。
須田将啓氏 株式会社エニグモ 代表取締役 最高経営責任者
慶應義塾大学院 理工学研究科 Computer Science 修了
博報堂を経てエニグモを設立。BUYMA(バイマ)、stulio(ステューリオ)運営
エニグモを起業して気づいたこと
―― 創業の経緯についてお聞きしたいのですが、まずなぜ起業されたんですか?
もともと、30歳で独立しようと思っていたんですよ。
そこで、ちょうど30歳のときにアイデア・人・タイミングが全部揃ったので、これはいくしかないなと思って起業しました。
その前の経緯として、学生の頃は起業するか教授になるかって考えていたので、コンピュータサイエンスの研究をしていたんです。
その結果として、「研究じゃないな」と思って博報堂に入ったわけですが、そこでたまたま同僚の田中と出会って、彼がBUYMAのアイデアを出して一緒にやろうと言ったのが始まりですね。
実はBUYMAって、最初は自分で作ろうと思っていたんです。
ですが、ちょっとアイデアが壮大に膨らみすぎて、このアイデアはものすごいから、外に出したら一瞬でマネされて、あっという間に抜かされると思ったんです。
今思えば、そんな心配不要だったんですけど。(笑)
他にもいろいろ考えが膨らんで、「これ自分が作ってへましたら、もうそこで終わってしまうな、それは申し訳ないな」と思うようになって、ちゃんとプロに作ってもらおうと考えたんです。
でも最初はお金がなかったので、タダで作ってくれるような会社を探したりしていたんですけど、そこにマネされたり、自分たちの思い通りにならなくて。
やっぱり自分たちでお金を出さないと、やりたいようにはできないと考えるようになりました。
一年ぐらいそういう期間があって、途中で夜逃げされたりとか、そういうこともあったんですけど、友達から合計6,000万円くらい集めて、まあ会社を作ったと。
でも、実は大変だったのはその後でしたね。BUYMAが本当、全然うまくいかなくて。
社内の関係もギクシャクして、先が見えない感じでした。
―― そういった辛い時期もあったと思いますが、起業を後悔されたことってありますか?
ないですね。
基本的に、人はやったことで後悔することはないと思うんです。
実際に色んな経験をしてくると、その経験をする前とした後の、こっち側と向こう側で、全然見える景色って違いますから。
例えば起業も、「すごく大変じゃないか、いい待遇や年収を捨ててよく飛び込んだな」って言われるんですけど、振り返ってみると、「そんな大変じゃないよ。こっちの景色はすごいぞ」とか思うんです(笑)
他にも、プライベートだとサハラ砂漠のマラソンに出てみたりもしましたが、クリアしてみると別に大したことないんです。
してない人から見るとスゴイことに思われるんですけど、一度経験してしまえば、全然大したことないと思えたりして。
だから本当に後悔したことはないですね。
―― 飛び込む勇気というのはどこから…?
これは色々…。お酒飲むとか。
(一同爆笑)
勇気というか勢いだと思います(笑)
みんなでお酒飲んで、「やるぞー!」って言ったのに、翌日「やっぱり…」とか言うのって滅茶苦茶カッコ悪いじゃないですか。迷ったら勢いですよ。
―― そうやって辿り着いた、今のお仕事の面白味ってなんですか?
自分たちでゼロから作る、というのが面白味ですね。
例えばBUYMAのルールを作るとか、カスタマーサービスの方針を決めるとか、新しい機能を決めるとか。
他に真似するものがないので、全部自分たちで作っていかなきゃいけないんですけど、その反面、うまくいったときは自分たちが全部やったっていう喜びがあります。
また、自分たちで市場を作るというのは、すごく面白いことだと思っています。
自分たちでフロンティアを見つけて、そこに飛び込んで、新しい市場を作る。
これは今までの既存の大きな企業とか、既存の業界にはない醍醐味で。
10年前にBUYMAっていう市場はありませんでしたけど、今は百数十億円という規模の市場になっていて、それをゼロから作ってきたというところに面白みがありますね。