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【IGPIパートナー、塩野誠氏が語る!#3】コンサルと投資銀行の違いと共通点

みなさんこんにちは。

シティバンク、ゴールドマンサックス、べイン&カンパニーなど数々の外資系企業を渡り歩き、旧ライブドア証券では取締役副社長を務めたという経歴を持つ、
現IGPIパートナー兼マネージングディレクターの塩野誠氏に、
外資系企業の実態についてご寄稿いただきました!
全3回に渡り、コンサルティングファームと外資系投資銀行について語っていただきます。

第1回:【IGPIパートナー、塩野誠氏が語る!#1】コンサルティングファームの仕事とキャリアパス

第2回:【IGPIパートナー、塩野誠氏が語る!#2】外資系投資銀行の仕事とキャリアパス


筆者紹介:

塩野誠 経営共創基盤(IGPI) パートナー/マネージングディレクター

シティバンク、ゴールドマン・サックス、ベイン&カンパニー、ライブドア証券(現かざか証券・取締役副社長)等にて国内外の事業戦略立案・実行、M&A、資金調達、ファイナンシャルアドバイザリー業務に従事。
企業経営者に危機管理やメディア対策についてもアドバイスを行う。
政府系実証実験の採択審査委員等を務め、企業幹部向け研修や国内外において講演を行っている。


東洋経済オンラインでキャリア相談「君の仕事に明日はあるか?」を連載。
慶應義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士


戦略系コンサルティング会社と投資銀行の違い

就職活動において併願されることの多い、戦略系コンサルティング会社と投資銀行ですが、
実際の業務のフォーカスは大きく異なっています

戦略系コンサルティング会社は経営戦略全般を業務範囲としますが、
基本的には経営者に対して提言を行うことを主眼としており、
その多くは売上・営業利益に関するまでの内容でありバランスシート(貸借対照表)に深く立ち入ることはありません。

一方、投資銀行はフォーカスがファイナンス(資金調達)や財務アドバイザリーであり、
事業よりもバランスシート(貸借対照表)を動かすことにフォーカスがあります。
中途採用で投資銀行からコンサルティング会社に移る人の動機は、
「より事業に近いところで仕事をしたいから」という理由が多いものです。 

投資銀行とコンサルティング会社の接点

投資銀行とコンサルティング会社の接点ですが、例えばM&Aにおいて、コンサルティング会社が立案した戦略を基に企業が投資銀行にM&Aを頼むこともあるでしょうが、
M&Aの現場においては投資銀行がデューデリジェンス(買収の為の企業の調査)に戦略系コンサルティング会社を業者として使うことが多いものです。

投資銀行の投資銀行部もコンサルティング会社も労働時間が長いことは共通しており、
特に入社3年目くらいまではほとんどの時間をエクセルでのモデリングとパワーポイントのスライド作成に使うこととなります。
投資銀行のマーケット側の業務は朝は6時台に出社と非常に早いですが、 マーケットが閉まれば会食の無い日は家には帰ることの出来る業務だと言えます。

これからのプロフェッショナルのキャリアとは何か?

新卒でコンサルティング会社や投資銀行を志望する方が理解しておくべきことは、
両社とも「プロフェッショナルファーム」であるということです。
プロフェッショナルファームはある意味で
一人一人が売れなければならない「芸人」であり、
入社数年は社内で売れなければ昇進出来ず、
クライアントに接するようになってからは
個人の名前で指名が来なければ生き残れない世界であるといえます。

プロフェッショナルファーム出身の経営者が多い米国と違い、日本ではまだまだプロフェッショナルファームから事業会社に転職することは容易ではありません。
特に三菱、三井といった日本のエスタブリッシュメントに
中途で重要なポジションに移るといったキャリアパスは今のところ日本では難しいでしょう。

新卒での就職活動においては、プロフェッショナルとして個人の名前で生きていくという選択
そして日本国内のエスタブリッシュメントに入ることの困難さを認識すべきでしょう。

一方でプロフェッショナルであるということは、
どんな環境でも価値を出し仕事をしていくことが出来るということであり、
それはプロフェッショナルとして自由を手に入れるということです。
そうした意味ではキャリアパスは国内外問わず企業、非営利団体を問わず広がっていると考えられます。

一般的に投資銀行から事業会社に移る人間は少なく、金融専門家としてキャリアを歩むことが多いことでしょう。
コンサルティング会社の方がつぶしは効きます。
投資銀行やコンサルティング会社出身者が次のキャリアを考える際、プライベートエクイティ会社やヘッジファンドのような投資会社を視野に入れることが考えられます。
その場合、投資銀行出身者は投資業務、コンサルティング会社出身者は経営改善業務にかかわります。
そうした会社に入る場合もレファレンスと言って前職での実績を調べられることが普通です。


編集者より:

全三回にわたる塩野氏からのメッセージ、いかがだったでしょうか。

プロフェッショナルとして生きていくことの難しさと、そこから得られる自由についての話が、私にとっては特に印象深かったですね。
投資銀行やコンサルタントに興味を持っている皆さんは、プロフェッショナルとしての矜持を胸にこれからも努力を続けていきましょう!

『ソーシャルランチ』でコンサルや外資系投資銀行の社会人に話を聞こう!

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